日本財団 図書館


 

Table-1.a、bに、本報告で検討した二つのケースの大阪湾の地形に対する大阪の潮汐の振幅と位相を示した。表には瀬戸内海のいくつかの地点の値も散せている。また、この表には異なった日にちに行った同一の実験ケースで得られた値を三つ記してある。本報告で検討した大阪湾の地形変化に対しては、M2潮の潮汐の変化の傾向を見いだすことは出来なかった。

Table-1. a Amplitude(in centimeters)for M2 tide.

202-1.gif

Table-1. b Phase(in degrees)for M2 tide.

202-2.gif

3−2. 流動特性
(1)流動ベクトル
FiG-1.は、大阪湾の流速ベクトルで、明石海峡の南東の測点において下げ潮流の最盛時のものを表している。これらの流速ベクトルは、5周期間連続測定した毎秒の流速のデータから、1潮汐周期内の同一の位相にある流速ベクトルを5回平均して求めたものである。また、図の流速ベクトルの大きさは、vを流速ベクトルの絶対値とすると、5vの平方根に比例して描いている。case4の地形における流動場をみると、泉佐野沖の埋立が他の地形の流動場からの変化をもたらしているのが分かる。
(2)潮流楕円
FiG-2.は、最小自乗法で解析して求めたM2潮の潮流楕円の長軸と短軸を示している。また、FiG-3.は、潮流楕円の長軸長の分布を表している。大阪湾の潮流楕円の長軸の長さは、東部の大阪湾奥で小さく西部で大きい。case4の地形における結果には、泉佐野沖の埋立地の西側において長軸長が大きくなる領域が現れることが示されている。
M4潮の潮流楕円の長軸と短軸を表したものがFiG-4である。明石海峡と友ケ島水道に近い地点でM4潮は卓越するが、泉佐野沖の埋立による人工島によってもM4潮は生成されている。

202-3.gif

FiG-1. Velocity vectors at maximum ebb.

(3)潮汐残流竜
大阪湾では、明石海峡の地形効果により剥離による時計回りの潮汐残差流が卓越することが知られている。1)
FiG-5.は、大阪湾の潮汐残差流である。この残差流は、流速データを最小自乗法によって解析して求められた平均値から得たものである。湾中央

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION